時には物語のように
恋の話です。
ある日、彼は病院へ行きました。
おかしな病気にかかってしまった彼は、
定期的に経過を見なければならなかったのです。
担当医にレントゲンを撮ってくるように言われ、
言われるままレントゲン室に行った彼は
そこで働く一人の女の人を見つけました。
彼女を見た瞬間、彼は病気のことなんてどうでもよくなってしまいました。
彼は、はじめて会ったその人に恋をしてしまったのです。
内気な性格の彼は、
生まれて初めて、見ず知らずの女の人と話をしたいという気持ちになりました。
でも、結局、話しかけることはできませんでした。
そのまま病院を後にした彼は、後悔で一杯でした。
次に来た時、もし彼女に再び会うことができたら、
そのときは話しかけてみよう。
そう心に決めました。
でも、今日、その次の時がきたのに、
彼は話しかけることができませんでした。
まともに顔を見ることさえできなかったのです。
悔しさと不甲斐なさがこみ上げて
彼は天を仰ぎました。
正直になれない自分を恨みました。
それでもまだ、
彼はどうしてもあきらめることができませんでした。
もし許されるなら、もう一度だけ、あの人に会わせてください。
一度でいいから、話をさせてください。
彼は祈ります。
しかしいくら祈っても、
誰も何も言ってはくれませんでした。
そう、願いがかなう唯一の方法は
彼が勇気を振り絞るしかないのですから。




