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チベット問題と交響詩篇エウレカセブン

チベットの問題がとてつもなくスポットを浴びてますね。
正直、オリンピックの開かれる今の時期になぜ?っと思う人もいるかもしれないけど、逆にいえば、だからこそここまで注目された。ということもできるはず。

少し前に、チベットの巡礼者に対して行われた衝撃の映像が、youtubeにアップされて話題になりました。

こんなの取り上げちゃっていいのかわかんないし超こええけど、チベットとチベット仏教徒に対する迫害の悲惨さは、正直上げたらキリがない。この機を逃してはいけないと思う。オリンピックのために死に物狂いでがんばった各競技の選手には本当に申し訳ないですが・・・。

そして唐突に僕のリスペクトして止まない「交響詩篇エウレカセブン」というアニメの話。絵のタッチ、音楽、ストーリー、全てにおいて最高のプロジェクトでしたが、この中に、上記で上げたような諸問題の一端が、とても重要な役割をもって出てきます。

それが「ヴォダラク」という架空の宗教。この名前は、チベット仏教の本拠地に建てられている宮殿「ポタラ宮」の語源である「補陀落(ポタラカ)」からきていると考えられます。意味は観音菩薩がすむとされる山の名前。よく見れば「ボダラク」と読めますよね。しかも、ヴォダラクの教徒たちの総本山は「ヴォダラ宮」というんですね。もう意識しているとしか思えない。

ただ、誤解がないよう付け加えておきます。前提としては、彼らも政府からことごとく迫害されています。そこは一緒。でも、さらにヴォダラクの場合、過激な反政府運動、テロ活動を行っていて、全世界から犯罪集団のように見られているという状態です。チベット仏教徒の場合は、たしかに若い僧侶の一部で過激派がいるにはいますが、小規模な上に、抗議の手段として多く選ばれているのは「焼身自殺」です。自らの身を燃やすことで、それですら静かに成仏することで、自分たちの精神性の高さと同時に、どれほどの思いを持っているのかを痛烈に示します。なので、過激な反政府勢力というイメージは、多々ある宗教問題の状況をおり混ぜているのだろうと思います。

ということで、だからなんだといえばそれまでですが、エウレカセブンというアニメは、一つの宗教についてさえ、そこまでこだわるくらいディテールに力を入れているということです。これは、説明するより少しでも見てもらえばすぐに気づきます。(あるいはウィキペディアに行けばわかるはず)

チベットの問題だけじゃない、現実世界にはいろんなところに民族・宗教・思想の問題があり、それらが複雑に絡まったさらに多岐にわたる悲劇が存在しています。そんな嘆いても嘆き足りない世界の闇を根底に含んでいるからこそ、主人公とそれを取り巻く仲間たちの純粋で愛くるしい気持ちが生きてくるのだと思う。

最終話でシンボルとして示されるあの月、マジでたまらない。

「あの月を世界のみんなが毎日見上げれば、争いなんてばかばかしいって思ってくれるんじゃないかってそんな風に考えた。」

いつぞやのインタビュー記事で制作者さんがそんな風に語っていた。ほんとかっこいい。きれいごとを言うなら、やっぱり世界の絶望を誰よりもちゃんと知っているという前提がなければまったく説得力なんかないんだよ。

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